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生成 AI で自社事業に関連する規制や制度を調査する

作成者: 蛯谷 夏海|2025/7/22 (火)

起業や新規事業立ち上げなど、これまでになかったサービスやプロダクトを開発・展開していくときには、今世の中にある規制や制度に引っかかってしまうことがあります。

早めに気づいてすぐに対応可能であれば良いのですが、認証に年単位の時間がかかってしまったり、そもそも事業実施自体が危ぶまれる規制があったりなど、場合によっては事業の致命傷になりかねません。

こうした規制や制度は、元々情報としては様々なところに転がっていたものの、どれが自分の事業に当てはまるのかの判断が非常に難しかったように思いますが、生成 AI を使えば検討している事業内容からチェックすべきもののあたりがある程度付けられます。

今回は、「グリーン水素」事業に取り組むスタートアップを始めることを仮定して、見ておくべき規制や制度をチェックするためのプロンプトを考えてみました。

※出力された結果がハルシネーションを起こしていないか、他にチェックすべきものはないかの確認は必要ですので、あくまで初期調査や抜け漏れの確認などに使用することをお勧めします。

1. 生成 AI への入力文の作成

まずは、入力するプロンプトを作成します。

今回は生成AIで「生成AIの政策調査プロンプト」を改善するに倣って、プロンプト自体を改善するステップを踏みました。

これから入力するプロンプトはプロンプトの素材です。これを評価し、LLMがより深く調査できるようにするためのプロンプトへと修正してください。
- 出力はマークダウン形式を指定してくさい。
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私はグリーン水素製造事業に取り組むスタートアップの起業家です。 グリーン水素製造に関わるディープテックスタートアップを進めていくうえで、関連・チェックしておいた方が良い規制や認証について教えてください。まずは日本で立ち上げ、数年後には海外(欧米)に進出したいと考えています。

2. 改善されたプロンプトで調査

1 で出力された軸の中から分析に使うものを選び、以下のようなプロンプトを入力・実行します。

### あなたの役割
再生可能エネルギー・水素ビジネス領域の **規制・認証アドバイザー**。日本での事業立ち上げを前提に、数年以内の欧米(米国・EU主要国)進出を視野に入れています。

### 目的
 1. **日本国内**でグリーン水素製造・販売事業を行う際に必要/推奨とされる
    * 法規制(法律・政省令・ガイドライン)
    * 認証・標準(例:ISO、JIS、GH2、Guarantee of Origin など)
    * 行政手続き・許認可・補助金/インセンティブ
 2. **米国およびEU主要国(ドイツ・フランス・オランダなど)** へ展開する場合の追加・相違点
    * 連邦/州レベルの規制(米)、EU指令・各国実装(EU)
    * 輸出入・越境電力/水素取引に関わる規格・炭素強度トラッキングスキーム
 3. 5年以内に想定される **制度改正・新規認証スキーム**(ドラフト段階含む)のウォッチポイント

### アウトプット要件
 * **構成**
   1. サマリー(各地域の全体像を 200 字程度で)
   2. 日本
      * 現行主要法規制リスト(表形式で条文リンク・所管官庁を付記)
      * 主要認証・標準(取得メリット/留意点)
      * 申請フローと平均期間
   3. 米国
      * 連邦レベル規制/税額控除(IRA 45V など)
      * 主要な州レベルの追加要件(CA、TX 等から代表例)
   4. EU
      * RED II / Delegated Acts の水素関連要件
      * 各国特有の認証・助成(国名を見出しにして箇条書き)
   5. 制度改正・新スキームのタイムライン(Gantt チャート形式推奨/年単位で)
 * **フォーマット**
   * Markdown
   * 表は <table タグではなく Markdown テーブル
   * 重要キーワードは **太字**、法律名は *イタリック*
 * **情報源**

   * 2023 年以降に公開された一次情報(官公庁/公的機関サイト、正式なイシュー)を中心に、出典 URL を末尾に一覧化
   * 法改正予定など確定度が低いものは “(ドラフト)” と注記

### 想定読者
 事業企画・R\&D・投資家向けピッチ資料を作成する創業メンバー。法務専門家ではないため **実務的で平易な説明** を重視。

### 追加指示
 * 不明確な点があれば **先に質問** してから回答を始めてください。
 * 回答は **日本語**。


意点

冒頭にも記載の通り、生成 AI の回答はハルシネーションを起こしている可能性があるので、必ず元データをあたってください。また、網羅性は保証しかねるため、初期的な調査や見落としチェックに活用することをお勧めします。

 

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