PEP 最新情報 | PEP

金沢工業大学 特別講義実施レポート

作成者: PEP 事務局|2025/10/9 (木)

政策起業家プラットフォーム(Policy Entrepreneur's Platform、以下 PEP) は、2025 年 10 月 7 日に、金沢工業大学 情報フロンティア学部経営情報学科 2 年の授業「プロジェクトデザイン実践」にて公共政策に関する特別講義を実施いたしました。

本出張授業の位置付けと狙い

今回特別授業を実施させていただいた金沢工業大学は「プロジェクトデザイン教育(PD教育)」という問題発見・解決型の教育に取り組まれています。2年次前学期の「プロジェクトデザインII」では、地域や企業など実社会の課題解決に向けて、メインテーマをもとに独自のプロジェクトテーマを設定し、「問題発見 → 現状把握 → 原因分析に基づく課題設定 → 解決に向けた達成条件の策定 → 解決策の決定」というプロセスに取り組み、後学期の「プロジェクトデザイン実践」では、提案した解決策の有効性を検証するため、仮説の立案から検証までを行います。

今回は、こうした課題解決の手法の一つとして「公共政策」というものがあるという視点を持ち、今後の活動に役立てていただくことを意識して講義を設計しました。

授業構成および実施所感

大きく、「課題の原因を分析する」「原因に対する解決策(政策)を考える」というワークを通してプロジェクトチームごとに政策を考え、最後に発表をしていただきました。

テーマとなる課題は PEP から以下の通り提案し、各チームの関心に合わせて選んでいただきました。

・市外からの交流人口が少ない
・まちづくり活動の担い手が不足している
・若者世代の、地域社会への参加率が低い
・地域医療の維持が難しくなってきている
・高齢者の社会的な孤立が増えている
・災害時など、迅速な情報伝達体制がない
・地域産業の活力が低下している
・市のブランド価値やシビックプライドが低い

特に、これまでプロジェクトデザインの授業等で課題を掘り下げる分析に取り組まれていた経験もあるとのことで、どのチームも短時間で精度の高い原因分析ができており、驚きました。

また、「公共政策」を考えるのはほとんどの学生がはじめてだったそうですが、既存の政策事例を参照したり、他の講義で培った分析・検討方法を活用したりして、非常に上手くアイデアをまとめていらっしゃっていたのが印象的でした。

参加者からの感想(一部)

  • 政策起業家とは、社会課題を自ら発見し、行政や企業を巻き込みながら解決に向けて行動する人であることを学びました。特に、アイデアだけでなく実行力や関係者との調整力が重要だという点が印象的でした。
  • 地域の問題について考える時にも、課題の要因や原因についてしっかりと調査し、解決策について考えるという流れを活用することが今回できてよかった。問題の解決に関する重要度についても考えることでその課題が本当に重要な問題なのか考えるきっかけにもつながると分かった。
  • 野々市市がより良い政策を立てることが出来るようにはどのようなことをすればよいのかを考えるうえで、他地域のでの政策を参考にしながら考えることが出来た。このことから、PD実践で行き詰ったときには他地域の政策を参考にすることで案をブラッシュアップできるということを学ぶことが出来た。

教材について

今回の講義では、以下で紹介している内容をベースに、金沢工業大学様版にアレンジした教材を使用しました。内容にご関心をお持ちいただけた方は、ぜひ以下もご覧ください。

公共 × アントレプレナーシップ教育探究支援パッケージ