スタートアップの界隈でも、Climate Tech や Defense Tech をはじめとして、安全保障にかかわる領域に注目が集まりつつあります。こうした背景を受け、PEP...
PEP for Non-Profit Startup アクセラレータープログラム 第1バッチ実施報告
国際文化会館 政策起業家プラットフォーム(Policy Entrepreneur's Platform、PEP)では、2025年2月27日~5月23日にかけて「PEP for Non-Profit Startup アクセラレータープログラム 第1バッチ」を開催いたしました。 本記事では、その開催の様子と参加者の声をお届けします。
Non-Profit スタートアップとは?
スタートアップの手法を利用し、短期間で社会的インパクトの大幅な拡大を目指す非営利団体を、 PEP では Non-Profit スタートアップ(Non-Profit Startup、NPS)と定義しています。
従来、市場メカニズムだけでは解決が難しい社会課題には、行政や NPO が取り組んできました。PEPは、ハイグロース・スタートアップのノウハウやソフトウェア、さらに民間や市民による政策提言・政策起業の手法を取り入れることで、短期間で社会的インパクトを急成長させる NPO 、すなわち Non-Profit スタートアップの実現を目指しています。
詳細は、 PEP ディレクター馬田による以下の記事もご参照ください。
Non-Profit スタートアップ - 『社会的インパクト』を短期間に急成長させる『非市場領域』でのスタートアップ
プログラムの流れと特徴
2 月下旬、12 名の受講生を国際文化会館に迎え、第 1 バッチがスタートしました。初回は「Non-Profit スタートアップとは何か」という問いから始まり、参加者同士の自己紹介やディスカッションで会場はすぐに活気づきました。
プログラムは全 12 回。PEP ディレクター馬田や外部ゲスト講師によるレクチャー・ワークショップを通じて、スタートアップの手法、政策提言のアプローチ、ファンドレイジング、生成 AI を活用したプロトタイピングなど、幅広いテーマを扱いました。中盤では、「生成 AI ツールによるプロトタイピングは他の講座ではなかなか学べない内容で刺激的だった」という声も聞かれました。
また、米国の非営利団体 Food Rescue Hero によるオンラインゲスト講演も実施しました。参加者からは、現場の実践例を通じて理論と実践のつながりを体感できた、という声が寄せられました。講義パートでインプットした内容を、ゲスト講師から現場の生の声として聞くことで、学びがより深まったという感想もありました。
異なる分野で活躍する受講生同士の交流も活発で、「他団体の活動から多くのヒントや刺激を得られた」といった感想も寄せられています。
全 12 回のプログラム内容
第1回 |
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第2回 |
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第3回 |
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第4回 |
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第5回 |
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第6回 |
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第7回 |
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第8回 |
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第9回 |
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第10回 |
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第11回 |
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第12回 |
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参加団体一覧
今回の第 1 バッチには、非営利団体に所属する方を中心に12名が参加しました。参加団体は以下の通りです。
- 一般社団法人チョイふる
- 特定非営利活動法人Nature Service
- 特定非営利活動法人あなたのいばしょ
- 一般社団法人ファストエイド
- 一般社団法人Media is Hope
- 特定非営利活動法人OVA
- 一般社団法人Fora
- 一般社団法人ELAB
- ユーレカトーキョー株式会社
- 学生団体S.A.L. Oikos Project
- NPO 法人申請中 Mobility for Humanity
- CrossHealth
Demo Day について
最終回では Demo Day を開催し、受講生が新たに取り組む事業や、既存事業の社会的インパクト拡大に向けたピッチを行いました。本イベントは非公開で実施し、PEP や受講生から招待されたゲスト十数名にご参加いただきました。ピッチ後の懇親会も盛況となり、ネットワーキングや今後の連携に向けた活発な交流が行われました。
受講生からの声
本プログラムを通じて、スタートアップの手法や生成 AI を活用したサービス開発、政策提言の具体的なアプローチなど、幅広い知識を実践的に学べたという声が寄せられました。特に、ファンドレイジングや生成 AI ツール(Replit)によるプロトタイピングなど、他の講座ではなかなか得られない内容が印象的だったとのことです。Food Rescue Hero の事例紹介や、講義後にゲスト講師から現場の生の声を聞けたことで、理論と実践が結びついたと感じた受講生もいました。また、異なる分野で活躍する受講生同士の交流が有益だったという感想があったほか、起業へのマインドセットを得る貴重な機会になったと話す受講生もいました。
おわりに
PEP では、日本における Non-Profit スタートアップ発展のため、今後も本プログラムのような取り組みを継続していく予定です。特に、政策やテクノロジーを活用した非営利領域での社会的インパクト拡大にご関心のある方は、ぜひ PEP の X アカウントやニュースレターから最新情報をご確認ください。
本プログラムは、米日財団(United States-Japan Foundation)の助成を受けて実施しています。