起業や新規事業立ち上げなど、これまでになかったサービスやプロダクトを開発・展開していくときには、今世の中にある規制や制度に引っかかってしまうことがあります。
生成 AI で社会課題に関連する『政府系会議』をチェックする
政策を考えるときには、現在その政策に関連してどういう議論が行われているかを理解しておかなければ、その先の政策を考えることはできません。そしてそうした議論の多くは、政府の会議(審議会など)で行われています。
しかし、政策にはじめて関わる政策起業家の方々は、こうした会議体についてそこまで詳しくはなく、どういった会議体があり、どういう議論がなされているのかを知らないこともしばしばあります。
そこで本記事では、生成 AI を使って、関連する会議体を検索する方法を紹介します。
まず Google AI Studio を開きます。最初の画面で表示されるメニューの中から、「URL context tool」を指定しましょう(※ 記事執筆時点での UI で、変更される可能性があります)。
そのうえで、右側のペインの Tools のカテゴリにある「Grounding with Google Search」をオンにしてください。このオプションを有効にすると、検索結果をベースに表示してくれるため、ハルシネーションが少ない形で出力されます。
続いて以下のようなプロンプトを入力します 。最後の○○○○のところはご自身の関連政策に入れ替えてください。期間についてもっと広く知りたければ「今日(Asia/Tokyo)から遡って6か月間」のところを変更してください。(ただし古すぎるともう開かれていない会議が挙がってくるかの可能性もあります)
# 政府会議体リスト調査プロンプト
## 役割
あなたは**日本政府の政策調査アナリスト**です。信頼できる一次情報(官公庁サイト、官邸・各府省の報道発表/開催資料/審議会ページ等)に基づき、指定テーマに関係する**政府の会議体**を網羅的に抽出・要約し、重要度順に整理します。
## 期間・範囲
* 対象期間:**今日(Asia/Tokyo)から遡って6か月間**に開催された会議体(新設・継続いずれも可)
* 対象範囲:「政府の会議体」=内閣官房・各府省の**関係閣僚会議/本部・タスクフォース/審議会・有識者会議/検討会/ワーキンググループ**等の正式な会議体
(国会・自治体・民間主催は除外)
## タスク計画(チェックリスト)
* [ ] **候補収集**:官邸・各府省の公式サイト/審議会ページ/記者発表でテーマに該当する会議体を収集
* [ ] **開催確認**:期間内に**実開催**(または議事要旨/配布資料公開)があるか確認
* [ ] **重複除去**:名称ゆれ(全角半角・英表記・略称・WG/部会)を正規化して統合
* [ ] **関係性把握**:上位(関係閣僚会議・本部)⇄下位(分科会・WG)の所掌と**指揮命令系統**を整理
* [ ] **要素抽出**:位置づけ(法的根拠・設置根拠)、構成メンバー(議長・事務局・委員)、直近議題、アウトプット(骨子・中間整理・最終取りまとめ等)、**進捗状態**
* [ ] **重要度採点**(下記スコアリング)→降順に並べ替え
* [ ] **検証**:各行に\*\*公式URL(必須、最大2件)\*\*を添付。URLが無い場合は「URL不明(理由)」
* [ ] **要約**:各会議体の**100~140字**の要約と**現在地**(例:「骨子案公表、パブコメ中」)を付記
* [ ] **成果物出力**:表+短い関係図+補足メモ
## 重要度スコア(合計100点)
* 決定権限の強さ(最終意思決定/閣僚級)…30
* 法的・制度的根拠(法律・政令・告示・訓令・設置要綱)…20
* 政策影響範囲(省横断・予算・制度改正の波及)…20
* **直近の動き**(この6か月の開催頻度/成果物の有無)…20
* 外部関与(パブコメ・有識者・業界・自治体の巻き込み)…10
> 各会議体に\*\*重要度スコア(0–100)\*\*と採点理由(30字以内)を付与。
## 出力フォーマット
### 1) サマリ表(重要度の降順)
| 重要度 | 会議体名 | 所管 | 位置づけ/根拠 | 関係会議体(上下) | 直近開催日 | 進捗状態 | 主な構成 | 主な議題/アウトプット | 公式URL (リンク付き) |
| --: | ---- | -- | ------- | --------- | ----- | ---- | ---- | ----------- | ----- |
### 2) 関係性メモ
* 上位会議体と下位会議体の対応関係
* 事務局の所在
* 他会議体との役割分担
### 3) 会議体ごとの要点要約(各100~140字)
* 位置づけ・狙い/最近の論点/直近アウトプット/次のマイルストーン
## 収集・検証ルール
* **一次情報優先**:官邸・府省の公式ドメインを最優先
* \*\*日付はJST(YYYY-MM-DD)\*\*で統一
* **推測禁止**:不明点は「不明(理由)」と明記
* **重複名寄せ**:括弧内注記・全半角・略称を正規化
* **URL リンク**:URL は別で表示ではなく表の中にアンカータグで入れる
## エスケープハッチ
* 見つからない場合:「該当なし」とし、検索ログ(使用キーワード)と調査範囲を簡潔に提示
## 出力要件
* 出力は**日本語**、見出し付きMarkdown
* 表は**重要度降順**
* 各行に**必ず1つ以上の公式URL**
* 最後に**検証ノート**(使用URL・収集メモ)を付記
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## 政策テーマ指定方法
対象とする政策テーマは「○○○○○」です。
この結果、表形式で会議体やそこでの議論内容が一覧できるようになります。そこからリンクを辿ると、様々な資料にアクセスできたりするので、それを NotebookLM などに入れて閲覧してみると、現在の議論に素早く追いつくことができます。
こうした議論を踏まえた上で、どういう政策がより良いのかを考えてみていただければと思います。
注意・ポイント
会議体 1 つとっても、その上位の会議体があったり、重要度が違ったりと様々です。そうした会議体の特徴を知ることも、本プロンプトの 1 つの有効な使い方です。
なお、重要度などは生成 AI が判断したもので、正確ではない場合もあります。また政治の体制が変わった際に、それぞれの会議体の重要度が変わることもあるので注意してください。あくまで1つの参考として、最新の議論がどのようなものなのかを把握するのを目的にご活用下さい。
皆様からの生成 AI の活用事例についてもぜひお聞かせください。以下のフォームからご投稿をお待ちしております。