2025 年現在、生成AIに対して大きな注目が集まっています。そして今後も発展して行くであろう生成AIは、多くの人たちの知的労働をエンパワーしてくれる可能性を秘めています。
生成 AI を使って政策経緯を調査する
ライドシェアの規制改革、お米の政策、新しい省エネのための政策など、日々様々な新しい政策が生まれてきます。皆さんの中にも、「この政策があればもっと良くなる」「こうすればいいのに」といった政策のアイデアが次々に浮かんでくる人もいるのではないでしょうか。
しかし、新しい政策を考えたり、既存の制度に意見を述べたりするときは、すぐにアイデアに飛びつかず、「類似の制度や既存の制度がなぜその設計になったのか」という歴史を把握することをお勧めします。制度は、過去の問題意識や利害調整、法的・技術的制約が折り重なって形づくられているからです。その経緯を見落とすと、次のようなリスクが生まれやすくなります。
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既存のステークホルダー間で行われた調整の履歴を知らないまま新しい配分を提案し、実現可能性が下がる
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過去の改正根拠となったデータや議論を確認せず、同じ論点を繰り返して説得力を欠く
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制度目的の変遷を踏まえず、問題設定自体がずれてしまう
こうした背景事情を考えずに政策のアイデアを出してしまうと、政策のプロである官僚や政治家からは、『素人の突飛な政策アイデア』のように見えてしまうこともあります。
とはいえ、経緯に関わる資料は法律本文、審議会議事録、白書、報道、学術論文などに散在しており、量も多いです。概要をつかむだけでも相当な時間がかかります。そこで生成 AI を補助的に使うと、一次資料を詳しく読む前に年表や主要論点を俯瞰でき、調査の効率を大きく高められます。
生成 AI に以下のようなプロンプトを入力すると、制度の経緯と背景を短時間で整理できます。各事実の末尾に《cite:URLまたは資料名》を付けるよう指定すると、後から裏どりしやすくなります。
あなたは公共政策を調査するリサーチアシスタントです。**「○○政策」**について、制度設計の「なぜ(Why)」まで理解できるように以下の形式でまとめてください。
ハルシネーション防止のため、各事実・数値に必ず信頼できる一次・二次資料を《cite:URLまたは資料名》の形で明示してください。
#### アウトプット構成
1. **政策名(正式名称)**
2. **制度の目的と基本スキーム**(100〜150字)
3. **経緯年表**
- 年月/出来事/50字以内の説明
4. **制度設計を決めた主な論点と背景(Why?)**
- *問題認識*(例:都市部への税収集中)
- *ステークホルダーの利害*(中央省庁・地方自治体・事業者・納税者など)
- *制度が採用した解決策と代替案が採られなかった理由*
5. **現在の仕組みを支えるキー条文・通知・ガイドライン**
6. **最近の改正・運用変更とその狙い**
7. **残る課題と今後の論点(私見可)**
#### 制約条件
- 省庁資料・国会会議録・法令・学術論文・主要報道を**最低3種以上**含める
- Wikiのみで裏付けが取れない情報は載せない(要出典と明示可)
- 因果関係を示す際は、明示的に「根拠となるデータ・議論」を引用する
なお、生成された内容はそのまま鵜呑みにせず、出典リンクを開いて一次資料で裏どりすることが不可欠です。出力された結果を再度生成 AI に入れて、加えて、同じく生成 AI でファクトチェックを回す方法も有効です。
## 📌 依頼内容
1. **各記述の真偽判定**
- 年月日・数値・固有名詞・制度/技術仕様・当局方針など、**行ごとに検証**してください。
- 判定区分は次の4つで示してください。
- ✅ 正確
- ▲ 一部要修正
- ❌ 誤り
- ❓ 情報不足
2. **出典の提示**
- URL だけでなく **「資料名・発行機関(または著者)・発行日」** を必ず明記。
- 可能な限り **一次資料**(法令、官公庁資料、公式統計、査読論文、主要紙の現地報道など)を優先。
3. **修正・補足案の提示**
- 誤りや不確定情報があれば、**正しい内容・最新情報・留意点**を提示。
- 予定・草案段階の事項は **【予定】/【案】** と明確に区別してください。
4. **総括コメント**(300 字程度)
- ドラフト全体の信頼性を **高/中/低** の 3 段階で評価。
- 今後のウォッチポイントや情報更新の必要性を簡潔に示してください。
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## 📝 望ましいアウトプット形式
| # | オリジナル記述 | 判定 | 修正・補足 | 出典 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 〈例〉2023/10 経費 5 割ルール厳格化 | ▲ | 施行日は 2023/10/1 だが公布は 6/27。範囲は「総費用」まで含む | 総務省告示第244号(2023-06-27) |
- 行数はチェック対象ドラフトの記述行に合わせて増減してください。
- 出典が複数ある場合は **`;`** で区切って記載して構いません。
- 上表の直後に **総括コメント** を記入してください。
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## ▼▼ チェック対象ドラフト
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